Ally Bally Bee

夫のDV・モラルハラスメントから逃れて娘と二人暮らし。全ての人が生きやすい社会になることを願いつつ、今ひとり親 として出来ることをあらゆる角度から考えていきます。

この国に『人を殺してはいけない』なんていうルールはない

コロナは、日本に限らず世界全体が経験することとなった非常事態だ。「戦争に突入していく雰囲気とか戦時体制下ってこんな感じなのだろうか」と、緊急事態宣言が出たとき、友人とオンラインで話したりしていた。

それで、赤木智弘著『若者を見殺しにする国-私を戦争に向かわせるものは何か』を思い出し、読み始めた。2007年に話題を読んだ論文「『丸山眞男』をひっぱたきたい-31歳、フリーター。希望は、戦争。」を書いた人だ。当時、私も気にはなっていたのだけれど、読む機会を得られずに10年以上経過してしまった。1500円の新刊本に手が出なかったということもある。

私自身、それから色々あった。経済的浮き沈みも経験した。正社員になっても辞めたり、結婚しても離婚してシングルマザーになったり、保証人もいない状況で家探しもままならなかったり、子どもとの時間を犠牲にし、過労死するかと思うくらい働いて精神的に疲弊してまた辞めたり、保証人問題を解決するために莫大な借金(ローン)をして中古の家を購入したり、、、。

仕事を欠勤して、まとまった時間集中できたため、ようやく読了。

赤木さんの文章は、下手な学者が書いた本より、読みやすく説得力があり、知識量も豊富だった。よく考えてきた方なのだと思う。実体験、リアルに基づいてているからこその説得力で、私自身も赤木さんと同世代の失われた10年をリアルに生きてきたからか、言っていることはよくわかり、共感もした。

ページも終わりに近付き、タイトルの言葉が出てきたときは、ずっと共感しながら読んできた私すら、ショックを受けた。その後、やはりその通りだと思った。

直接的に殺すと「嫌な感じ」が残るので、経済的に殺す。

私自身、確かにかつて「子どもと共に殺される」と感じたことがあった。経済的に、そして精神的に。DV夫からのみならず、この国の仕組みに。

コロナの今、そう感じている人は増えているのではないかと思う。