Ally Bally Bee

夫のDV・モラルハラスメントから逃れて娘と二人暮らし。全ての人が生きやすい社会になることを願いつつ、今ひとり親 として出来ることをあらゆる角度から考えていきます。

【がん患者の家族日記15】家族のワクチン接種

ここのところ、ワクチン接種を個別で受けさせてもらえないか、病院に電話をかけまくっていたのだけれど、全て断られた。

供給の目処はたっていないので、私がいつワクチンを接種できるか今のところわからない。

母が抗がん剤治療を受けることになり、ワクチン接種が出来ないとわかった時から、母のように病気のためワクチン接種を受けられない人の家族のことを考えていた。家族がワクチンを接種することは本人を守るためにも、重要だと思う。優先接種の対象になるのでは、と思っていた。

コロナ禍で、世界中の誰もが平等にワクチンを受けられるわけではない。このような接種の機会の有無とは別に、母のように持病のため接種できないという人もいる。後者の場合、その家族は自宅の介護者にあたるので、福祉従事者と同じ扱いになってくるのではないだろうか、と考える。

私は、自分がコロナに感染し、抵抗力の弱い母に感染させ、重篤な状態にさせるのがとても不安だ。自分は死に至らないかもしれないけれど、母はきっと死ぬ。

ほとんどの人がワクチンを早く接種したいだろう中で、感染リスクが明らかに高い医療従事者、福祉従事者、基礎疾患を有する者(※その中でワクチンを接種できる人)や高齢者が優先され、ワクチンを接種した。優先された人の中でも、医者にコネのある高齢者がより早く接種できたり、情報弱者だったり、かかりつけ医のない高齢者が取りこぼされている。早い者勝ちのような予約の取らせ方も、なんだか弱肉強食というか、そういうエネルギーの強い人ほどきちんと受けられるのかな、と思ったりもした。

今回、優先接種できた人を除くと、ワクチン接種で、誰が優先されるべきと考えることは、命にランクや優劣をつけるようで怖いことだと思う。

だから、私は、そんなこと(ワクチンを受ける目処がたたないこと)に焦りを感じたりせず、ただただ、気をつけるよりほかにない。

【がん患者の家族日記14】医学小説

日常的に病院に行き、長時間待たされていると、そこで働く医師や看護師、患者、その他職種の人たちに俄然親近感を持つようになった。
もともと、はじめて読んだのは『医療幻想』という新書だったけれど、医療小説を多く手がける久坂部羊氏の作品にはまっている。
今日は、『ブラック・ジャックは遠かった』という青春時代の回想エッセイを読み、氏は、私が娘を妊娠中に貪るように読んだ久坂葉子に詳しい人であることを知った。
思いがけないところで、久坂葉子のエピソードを知ることができ、不思議に嬉しかった。

【がん患者の家族日記13】相談できる人がすぐそばにいるという事

母に付き添い、病院の待合室に座っていたときのことだ。隣に座っていた80代くらいの男性に、携帯のマナーモード解除の方法を尋ねられた。

「これ、ブルブルって鳴るのから、チリリリって鳴るのにどうしたら変えられるんですか?」と聞かれた。

黒く汚れた携帯電話を差し出されたので、解除方法と設定方法を、「このボタンを一回だけではなく長く押すと変更できますよ」という風に繰り返し伝えたが、理解されたかどうか怪しかった。男性は「切り替わってますか?」と私に確認した後、自分が病院に来た理由などを詳しく私に説明し、嬉しそうに礼を言って立ち去っていった。解除できずに相当困っていたようだった。

携帯電話の使い方ひとつをとっても、誰か相談できる人がそばにいるというのは大きいことだ。

コロナ禍では、今回のエピソードのように気軽に見ず知らずの人に声をかけにくくなっていると思う。余計誰かに相談しにくくなっていると思う。

コロナワクチンの接種予約がインターネットから、というひとり暮らしで情報弱者の高齢者にとって大変な方法だったという最近の話題もあるけれど、近くに気軽に相談できる人がいるといないでは生活の質が大きく変わってくる。

長年ひとり暮らしをしていた母の家に久しぶりに来ているが、壊れた電化製品などの修理方法がわからず、壊れたままになっているものも多かった。その壊れた製品を捨てるのも億劫だったようでたまっていた。

高齢者ではなくても、私自身もそうなることが多い。

大型の家具など、処分したくても処分方法を調べて段取りをするのは結構億劫なものだ。ゴミ袋にいれて捨てられないものを遠くのゴミ処理場に運ぶことができなければ、例えば業者に取りにきてもらう相談をしなければならない。どの業者にするのか情報を得て悪徳業者に騙されないよう選択するのは高齢になればなるほど大変だ。

身近な人が情報を教えてくれると、経済的なことでもメリットがある。

例えば公的な経済支援はただ待っているだけでは誰も教えてくれず、自分が動かなければならない申請主義だ。生活保護や税金等の減免制度がその一例だ。もらえるお金、支払わなくて済むお金も、情報がなければ手続きをすることができない。情報があったとしても、体力、精神力等の機動力がなければそのままになってしまう。

今回も、がんのために仕事を辞め、すぐの入院となった母の公的手続きをするため、具合の悪い母と共に色々動いた。母の入院により先延ばしになっているものもあるが、引き続き、私も出来ることをしている。

頼る人がいないかもしれない病気の人が、こんなに動かなければならないこと、動けること前提の制度であることが不思議でならない。

【がん患者の家族日記12】お金を届ける

入院中も何かと物入りらしく、母からお金がなくなったから届けて欲しいと連絡が来た。テレビを見たり、冷蔵庫をつかったりするカードを買うお金その他、母は医療用のかつら付き帽子を購入したりもしているようだ。

病院内にはATMもあるにはあるけれど、お金をおろすということは、誰かに代行を頼むのが難しいことだ。身体がいくらしんどくても自分でしなければならない。ATMまでの付き添いなら誰かに頼めるかもしれない。

母は感染リスクが高いためATMあたりまで行くことを許可されておらず、体調も悪いみたいなので、とにかく届けることにした。

預金も底をついていたらどうなんだろう。ひとり暮らしで、お金を持ってくることを頼める人がいない人の場合、こんな時どうするのだろう。

福祉と繋がっていない人の場合は、お金のことだから、友人・知人がいたとしても頼みにくいと思う。福祉と繋がっていたとしても、いつでもすぐに届けてもらえるというわけにはいかないだろう。

幸いにも、私の家から徒歩5分ほどのところに病院がある。すぐに届けに行くことが出来た。

家が遠い患者の家族のための宿泊施設が、病院に通う途中にある。いつもその宿泊施設を見ながら大変だろうな、と思う。小児病棟に入院している子の家族も多いのだろうな、と想像する。

患者にとっての家族の存在は大きい。患者の家族のための宿泊施設に泊まっている人も、仕事やお金の都合をつけたり、別の家族と離れたり、生活スタイルを大きく変えて、患者のそばに来ているのだろうと思うと、家から歩いて病院に行ける私なんかよりずっと大変だな、と思う。

自分が母のような状態になって、家族がいなかったら、お金がなかったら、そもそも入院治療を受ける気になれるだろうか、などと考えた。

【がん患者の家族日記11】第二の患者

がん患者の家族は第二の患者と言われる。患者と同じくらいか、それ以上に心のケアを必要とするほどのストレスを抱えるようだ。

実際私は母の癌がわかってから、お腹が痛くなり、食欲がなくなった。やつれた、と当のがん患者である母から心配された。

仕事を辞める理由や転居する理由を同僚や友達に話す時、暗い話で、相手に負担をかけてしまうことを申し訳なく思った。私が第二の患者なら、私が母の癌のことを話した相手は第三の患者になってしまう。

私は、お酒や甘いものが好きな方だったけれど、どちらも別にどうでも良くなった。

今日は、母が退院できるかもしれない日だったけれど、白血球の数値が思わしくないようで、退院できなかった。

母から嘆きのメールを受け、私もダメージを受けた。

好きでもない焼酎が家にあったので、残飯整理も兼ねて飲んでみた。

すると、家にある母のものを見る度に悲しくなった。お酒を飲んでもちっとも楽しくなんかなれなかった。

【がん患者の家族日記10】マイナンバーカードと役所手続き

2013年にマイナンバー法が成立し、8年経った。

私は、個人番号が割り振られ、国の管理、監視がきつくなるのかなぁ、と少し抵抗を感じたけれど、役所の窓口のたらい回しがなくなるなら、と結構面倒なカードを作る手続きをしたのである。

しかし、今回の母の退職と入院、私の転居にあたる諸々の手続きにマイナンバーカードが役に立ったとは感じなかった。窓口のたらいまわしや、都度の書類への記入は従来と変わらず。マイナンバーカードのパスワードを思い出したり、持ち歩いたりと、少し手間が増えたくらいだ。

転居先で前の住所地に本籍があるため、前住所地から戸籍謄本を取ろうとしたけれど、証明書交付サービス利用のためには、その登録申請を行う必要があり、その登録には1週間ほどかかるようだ。

申請も、キオスク端末か、PCかで行う必要があるとのこと。

キオスクと言えば駅かな、と駅に行ってみたけれど見当たらず。結局コンビニのコピー機キオスク端末だとわかった。

法の成立から8年も経過してこんな状況とは。

マイナンバーカードの番号さえあれば、役所の手続きをすべて自宅で行うことが出来るくらいになるかと思っていたのに、期待し過ぎていた。

【がん患者の家族日記9】果物を届ける

母は抗がん剤治療の副作用で、まったく病院食を受け付けなくなっているようだ。スイカとサクランボなら食べられそうだというメールをもらい、面会は出来ないものの届けることにした。

何も食べたくない状態の人が食べたいと思えるような果物を求めて、果物が美味しいという店に買いに行った。

美味しいスイカとサクランボの見分け方を事前に学習し、スイカを一玉ずつ叩きながら真剣に選んだ。

命がかかっているので、果物をこれほど真剣に選んだ経験はなかった。

その甲斐あって、カットし、味見してみるととても美味しかった。母がそれを口に出来たのかどうかは、まだ連絡がなくわからない。

イカには、ミネラルやカリウムが豊富に含まれ、高齢者の身体能力や体力の向上、体内の鉛を除去するデトックス作用があるようだ。

サクランボには、葉酸、ビタミンC、カリウムが多く含まれ高血圧や動脈硬化の予防に役立つようだ。

食べたいもの、食べられるものから少しでも栄養を摂ってもらえたらと思う。