「出ていけ」と言われて
母が余命4ヶ月と言われ、少しでも一緒に過ごせたらと思って娘と実家に戻った。
それなりに家事なども頑張ったつもりだ。幾度も心配しながら抗がん剤治療を共に乗り越え、母はとても小さい可能性であった寛解という状態にいたった。
具合が悪いと、人はイライラしがちなものだ。体調が悪い時のイライラをぶつけられるのはきつかったけれど、仕方がないと思ってやってきた。
寛解にいたり、母の体調も回復して喜んでいたら、今度は医療費が大きくかかったことによる経済的な不安から、母は私がもっと稼げる人間でないことを不満に思うようになり、毎日お金の愚痴を言うようになった。
愚痴を聞きたくないからと、家に入れるお金が増えていき、私自身も不安を感じた。そして、家計を見直そうと母に提案したら、ライフスタイルを変えられると思った母が激怒。「出ていけ、帰れ」という話になったのである。
私自身は、仕事を始め、そこそこ仕事内容を面白く感じている。2年未満で仕事を辞めると次に繋げにくいとも思っている。娘も学校に通っており、そうそうすぐに出ていける状態でもない。
「出ていけ」という言葉は、本当にきつい。母からは、これまでの人生でトータル500回に下らないほど聞いてきたけれど、やっぱり慣れるものではない。
母と離れるべきとは思うけれど、遠方の自分の家に戻るには仕事の問題がある。
悲しい。
どうしたものか。