オカルト
- 作者:森 達也
- 発売日: 2016/06/18
- メディア: 文庫
- メディア: Prime Video
ハローワークに行った
娘の参観のために休みの希望を出していたが、緊急事態宣言で参観がなくなった。というわけで自由に使える平日の時間ができた。
資格の勉強をするために教育訓練給付金が使えるかどうかハローワークに足を運んで相談した。
失業者で溢れかえっているのではないか、という予想に反してハローワークはガラガラだった。午後一番くらいの時間帯だった。
これまで転職も多かった私は何度もハローワークに行ったことがあるが、私の経験の中で1番空いている状態だった。
コロナ禍で失業した人の波は治っているのだろうか。ほとんど仕事がないことがわかっているから求職者は相談にも行かないのだろうか。予想外の状況に驚いた。
最近、ハローワーク相談員の雇い止め問題をニュースでよく見る。ハローワーク相談員は非正規が多いのだ。
考えてみると、失業給付の手続き以外、求職活動はハローワークを通さず直接できる場合も多い。
仕事に関する情報をインターネットで集めることができ、直接申し込めるならハローワークの存在意義はこの先どう変化していくのだろう。
【介護福祉士の勉強】ジャージーを購入する
デビッド・コパーフィールド
ヒトのひとり親
- 作者:長谷川 真理子
- 発売日: 1993/03/17
- メディア: 新書
プラネットアース DVD-BOX 1 episode 1‾episode 4
- 発売日: 2006/08/25
- メディア: DVD
プラネットアースを観ていて、自分はヒトという動物なのだなぁ、という認識が強くなった。
『オスとメス=性の不思議』は、という経緯で読んでみた本である。
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鳥の仲間の多くは、両親が揃って世話をします。哺乳類は、雌が母乳を出すので哺乳類というくらいですから、必ず母親が世話をします。父親も一緒に世話をする哺乳類はほんの少ししかありません。
魚や両生類では、まったくなんの世話もしないもの、雄親だけが世話をするもの、雌親だけが世話をするものとまちまちです。両親がそろって世話をする種はほとんどありません。爬虫類のほとんどは、親による子の世話がありません。卵を抱いてまもるニシキヘビや、子の世話をするワニは例外です。
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プラネットアースでみたシロクマも、父熊が不在の中、母熊と子熊が食糧探しの過酷な旅をしていた。両親が揃って世話をする種はほとんどないなら、ひとり親は地球規模で考えるとメジャーなのか、と思った。
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繁殖のために個体が費やす時間とエネルギーは、配偶者獲得のための配偶努力と、生まれた子の生存率を上げるために行う子育て努力に分けられます。ダーウィンは、配偶者獲得のための闘いは、雄に固有の性質と考えました。トリヴァースは、そうではなくて、雄同士が闘うことも雌同士が闘うこともあるだろうと考え、その競争の様子を決めるのは、配偶努力と子育て努力の差し引き関係にあるのだと考えました。
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ヒトの雌は、子育て努力が大きいから、配偶努力は概して小さいのかと何だか腑に落ちた。とすると、子育てをしないであろう年齢の雌は、雄同等に配偶努力をする必要があるのだろうか、というより、子育てを意識しないなら、雄にとっても雌にとっても配偶努力は必要ないものなのなのだろうか。
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難産になったことと子育てに非常な労力がかかることの二つは、ヒトの生物学的特徴といえます。ところが、この二つの特徴はともに、ヒトの女性が単独で子育てをしていくことを不可能にしました。子どもを育てている間も、女性は、まず自分自身を支えていかねばなりませんから、女性が単独で自分の生活を支え、なおかつ子どもを育てていくことは、不可能となるでしょう。地理的、歴史的にさまざまな民族を眺めてみても、母親が単独で子育てをするのが普遍的な社会は一つもありません。
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ヒトがひとり親として生きていることはすごいことなのだと思った。
福祉の仕事について
- 作者:佐瀬 睦夫
- 発売日: 2016/03/02
- メディア: 新書
コロナ禍において、飲食関係や首を切られた非正規雇用の失業者が増えている。それでも、福祉業界は人手不足だ。
なぜなら、7K(キツイ、汚い、危険、帰れない、給料が安い、規則が厳しい、休暇がない)だからである。
私は福祉の仕事をしているけれど、まさに7K。嘘偽りはないと思う。だから離職率も高いのだ。
社会的ステータスも、きれいごとを言わないとするなら、ズバリ低く見られている。肉体的にも精神的にもきつい仕事に関わらず待遇も低く、さらに一般の評価が高くない。この仕事を続けている人はすごいなぁ、と思う。
私はといえば、福祉の仕事内容は、喜びもあるから好きなのである。それなのに、上に挙げたような七重苦諸々で、いつも辞めた方が良いかな、と思い、苦しい気持ちと好きな気持ちを行きつ戻りつしているのだ。
慢性的な人手不足により、辞めると言うことすら、私がほかの業界で働いていた時より勇気のいることだ。欠員を埋めるため、ほかの人にかかる皺寄せが大きい。ただでさえ休日出勤や残業が続く同僚に申し訳ない。
というわけでこの本を読んでみたのである。
著者は完全週休2日制にこだわり、有給休暇や休日出勤の代休を取りやすい環境にすることなどの施策が仕事への誇りにつながる、と考える。また、仕事を通じて人格形成や精神的成長をし、プライドを保ちながら福祉・介護の仕事が社会的ステータスを得られるだけの環境を作っていくことが大事と主張する。ネガティブ7Kをポジティブ7K「希望」「期待」「感謝」「感動」「感激」「可能性」「快感」に変えることが出来れば、働く人が幸せを感じる職場になると言う。
確かに私はポジティブ7Kも、実際仕事の中で感じている。
福祉の仕事の持つ専門性が、正当に評価される世の中になると良い、とただ願うだけではなく、実際にアクションを起こさなければならないのだろうな、と思う。
『精神医学とナチズム』を読む
精神医学とナチズム―裁かれるユング、ハイデガー (講談社現代新書)
- 作者:小俣 和一郎
- メディア: 新書
著者のプロフィールをろくに読まずに読み進み、歴史学者の著書かと思っていたら、著者は精神科医だった。人間の尊厳、安楽死問題などを現代において考える際、ナチズム期の医学をおさえておくのは重要なことと思う。
ナチと関係した精神科医の多くが、戦後何ら裁きを受けることなく社会復帰を果たしているということが興味深かった。
日本も同様だった。満州第七三一部隊で人体実験を指揮した人たちは戦後京都大学教授、京都府立医大学長などに社会復帰している。
そんな状況の中、戦後のドイツで、歴史を見直し、ナチ国家における安楽死問題を80年代に分析してきたのは、研究・教育職の学者たちではなく、各地の病院に勤務する病院精神科医だったという。自らの勤務する病院でナチズム期に何が行われていたのか、患者がどのように殺害され、殺害に加担した医師らはどのような思想の持ち主だったのか、歴史的背景まで分析を行った。
彼らの歴史と真摯に向き合おうとする態度に敬服する。
日本の大学の医学部で医学史の講座を常設しているところは少ない一方、ドイツでは医学部の必修カリキュラムとして医学史があるようだ。
日本の医師となる人にも医学史を是非知って欲しいと思う。