Ally Bally Bee

夫のDV・モラルハラスメントから逃れて娘と二人暮らし。全ての人が生きやすい社会になることを願いつつ、今ひとり親 として出来ることをあらゆる角度から考えていきます。

森茉莉の家政婦

知識人99人の死に方 (角川文庫)

知識人99人の死に方 (角川文庫)

  • 発売日: 2000/10/21
  • メディア: 文庫

障害児者のヘルパーの仕事をしている。家政婦の仕事に似ていると思う。
死について考えるために、荒俣宏監修『知識人99人の死に方』を読んだ。
大好きな森茉莉の章で、茉莉に気に入られた家政婦の話が出てきた。
側から見るとゴミ屋敷のようになっていた茉莉の部屋だが、茉莉は自分の部屋を他人にいじられるのを嫌った。“おばあさん”呼ばわりされるだけでひとことも口をきかなくなった茉莉の家政婦は何人も代わったというが、茉莉のお目がねにかなったという家政婦の話だ。
彼女は、茉莉の本を愛読しており、彼女の性質をある程度把握していたとのこと。茉莉のためにバラ、カーネーションを部屋に飾ったという。味にうるさい茉莉のための洋食をつくったり、風呂嫌いの茉莉の足を洗ったり、トイレットペーパーの色は白ではなくピンクという茉莉のこだわりに合わせて買い物をした。
茉莉のこだわりに付き合うのは大変だったと思うけれど、とても素敵なエピソードだと思った。森茉莉の家政婦になら、なりたいと思った。失敗して口を聞いてもらえなくなる可能性は高いけれど。
家政婦やヘルパーは、利用者に選ばれる。嫌われると、代えられる。
茉莉の家政婦にならなりたい、など言っている時点で、私は利用者を選んでいる。プロとは言われないだろう。
でも、私は家政婦やヘルパーだって相手を選んで良いと思っている。相性というものはあるのだ。