世界恐慌と新型コロナウィルス(The Only Thing We Have to Fear Is Fear Itself)
"The Only Thing We Have to Fear Is Fear Itself"(1933)
これは、世界恐慌の年、ニューヨーク州知事で、のちにアメリカ第32代大統領になったフランクリン・ルーズベルトの言葉である。
職を失う人が街にあふれ、国中が暗い雰囲気に包まれた中、フランクリンは直接食料や衣類を配布する公共事業を行ったり、失業者に仕事を与えることで、生活の安定をはかった。その後の就任演説では、「わたしたちが恐れなければいけないのは、わたしたちの心の中にある『恐れ』そのものである。恐れを捨ててこの暗い時代を乗りきりましょう」と述べた。
目に見えないウィルスに対する恐怖で、私の身近なところでも、全国的なニュースをみても、差別的なことが増えていると感じている。
よく知らないこと、わからないことに対する恐れが差別を生むと思う。対象をよく知り、どう対処したら良いか考えて、実践することによって恐れが軽減することが多いことを、私は経験上知っている。
時に恐れを知らないことは無謀ということにもなる。例えば、コロナの今、差別的なことはしなかったとしても、あえてコロナの対策をしない人は、感染して重症化するか、感染して無自覚に人に移すかもしれない。
適度な恐れは、必要だと思う。
歴史的に、人々は、人の力でどうにもならないないことに対して畏怖の念を抱き、それを解明しようと試みてきた。そうして、知ることが出来たことについては落ち着いて対処できる。
そうでなければ、例えば呪いや祟りと考えるなど、何かのせいにもしてきた。
そんなことを考えると、こんな時だからこそ、自分自身は、気持ちに余裕を持って行動するよう気をつけたいと思う。