Ally Bally Bee

夫のDV・モラルハラスメントから逃れて娘と二人暮らし。全ての人が生きやすい社会になることを願いつつ、今ひとり親 として出来ることをあらゆる角度から考えていきます。

藪の中

草薙厚子著『ドキュメント発達障害と少年犯罪』と、川名壮士著『謝るならいつでもおいで』を立て続けに読んだ。この2冊の本は、同じ佐世保小六女児同級生殺害事件を扱っている。どちらも体裁はドキュメントだ。
草薙氏は、元東京鑑別所法務教官である。川名氏は、当時被害者の父親の部下であった新聞記者だ。
それぞれの本の内容に関すること以上に私にとって驚きだったのは、同じ事件について扱った本でありながら、それぞれの本から受ける加害者、加害者の親の印象が違ったということだ。あくまでも私が個人的に受け取った印象ではあるが、大きなズレがあった。
切り取り方、視点が違う。さらに、少年犯罪の不透明性や、加害者が自分自身についてもわかっていない部分があるかもしれないこと、被害者が死亡しており語ることができないことも加わると、物的証拠以外に何を信じられるのか。
ある人が話したこと、誰かがみたこと、記憶していることも、真実かどうかは藪の中だ。語る本人さえわからないかもしれない。同じものを見ても、見え方は違う。