Ally Bally Bee

夫のDV・モラルハラスメントから逃れて娘と二人暮らし。全ての人が生きやすい社会になることを願いつつ、今ひとり親 として出来ることをあらゆる角度から考えていきます。

学校では教えてくれない障害と犯罪の話

山本譲司著『刑務所しか居場所がない人たち 学校では教えてくれない、障害と犯罪の話』を読む。子供向けに書かれた本だが、大人で障害福祉の仕事をしていて社会福祉士の勉強をした私でもハッと気付かされることが多い本だった。易しくわかりやすい言葉で書かれているので、娘にも是非読んで欲しいと思う。
引用したいことが沢山ありすぎるけれど、障害福祉施設で働いていた山本氏の以下の文章は、現在重度の方を含む障害者の方々と関わっている私の実感でもあるので引用する。
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でも、断言しよう。障害のある人たちだって、かならずコミュニケーションができる。
僕は、施設で働くなかでよくわかった。相手の訴えたいことをなんとしても聞きたい。こっちの気持ちをなんとしても伝えたい。そう強く思って接すると、ちゃんと意思疎通ができる。障害のために、言葉を語らない人たちもね。
たぶん、ひと言ふた言のやりとりじゃわからない。むずかしいけれど、お互いの気持ちを共感することができると、コミュニケーションが前に進む。
いちばん共感しやすいのは「悲しい」という感情だ。障害のある人は、悲しい思いをたくさん経験しているから、他人の悲しみに敏感だ。あの府中刑務所のレッドゾーンに収容されていた彼らも、きっとそうだったんだと思う。
知的障害のある人の場合、とくに、お母さんが悲しんでいる気持ちはすぐに察する。お母さんの表情が少しでも曇れば、彼らも落ち着かなくなる。そんなとき「悲しいね」「つらいね」って声をかけていると、いつしか心を開いてくれる。
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