「アサーティブネス」とは、相手の気持ちを尊重しつつ、自分の気持ちを素直に伝えるコミュニケーションのことです。自己主張すると同時に相手の話もきちんと聞いて、お互いが歩み寄り、新しい解決方法を探すこととも言えます。
アサーティブネスは以下のような考えによって成り立っています。
- 私は自分のために物事の優先順位を決めていい。
- 私は賢くて能力のある対等な人間として、敬意をもって扱われる権利がある。
- 私は自分の気持ちを口に出して言っていい。
- 私は自分の意見と価値観を口に出して言っていい。
- 私は、「イエス」「ノー」を自分で決めて、主張していい。
- 私はまちがってもいい!
- 私は考えや気持ちを変えていい。
- 私は「わかりません」と言っていい。
- 私は、欲しいものを欲しい、したいことをしたい、と言っていい。
- 私は他人の悩みを私のせいだと思わなくていい。
- 私はまわりに指図されずに、自由に友だちをつくっていい。
- 私はアサーティブでない自分を選択してもいい。
(参考:上野千鶴子編「なりたい自分になれる本」、アサイティブジャパンHPhttp://www.assertive.org/)
ここで、誤解されてはならないと思うのは、DV・パワハラ・いじめの被害者はもともと自己主張が出来ない人間であったということでは必ずしもないということです。アサーティブネスは相手あってのものであるため、たとえば配偶者・上司・級友などに自己主張した結果、それをパワーで潰され、人は自己主張出来なくなっていくのです。被害が長引くと、上記のようなことを何度も声に出して読み上げ確認しなくては、なかなか本来の自分に戻ることが出来なくなります。
そして私が重要だと思うのは、上記12項目目、「私はアサーティブでない自分を選択してもいい」ということです。パワーにより「アサーティブでない自分」を選択させられるのではなく、自分の意志で「アサーティブでない自分」をも選択できる状態に戻すこと、それがDV・パワハラ・いじめ等から回復するための目標のひとつです。