里親のこと
「TV番組で知ったんだけど、里親って結構お金入るみたいだね」と、職場の人が話していたのを聞いて複雑な気持ちになった。どんな番組だったのかわからないけれど、それが見た人の大半にそのような印象しか残さないような番組だったのだとしたら悲しい。
児童養護施設、里親等社会的養護に関する話題はひとり親にとってかなり気になる話題だ。もし私が死んだら、我が子は児童養護施設に入所することになるかもしれないけれど、良い里親に引き取ってもらい、愛情をかけてはぐくんでもらえるならそれに越したことはない。
ということで、里親の現状について知るべく、先日、里親についてのセミナーに参加した。「里親になるには、なりたい本人だけではなく、(里親希望者の)両親などまわりの理解も重要」という話になるほど、と思った。欧米諸国に較べて、日本の里親委託率は低く、偏見もある。子育ては、まわりの理解や支援がなければかなり厳しい。自分が里親になりたいと思うだけでもまだハードルは高いのか…。不妊のカップルにとっての選択肢としても「里親」はあるけれど、「里親」を候補の一つとして考えることすら、日本人にとっては難しいことなのだろう、と改めて思い、ため息が出た。先日最終回を迎えてしまったドラマ『コウノドリ』に、里親や児童養護施設が登場したけれど、ちょっとは認知度が上がったのだろうか。
「養子縁組里親は子どもが20歳になった時に概ね65歳以下を目安にしている」ことなどについて、里親になるための条件も結構厳しいな、と思う。
変な話、私は誰よりも憎いDV夫の子どもであっても心から愛しているという現在の心境を根拠に、他人の子どもも心から愛することが出来る気がしている。ひとり親になり、男は少し苦手になってしまったこともあり、自分が第二子を出産するなど考えられないだけに、里親になってみたいとも思う。「経済的に困窮していないこと」の条件には合致しないのだけれど。とはいえ、この条件もやっぱり虐待防止のために重要だし、本当に難しい。まだまだ調べ始めたばかりなので、里親についてもっと深く勉強する必要があるな、と思っている。
里親
様々な事情により、家庭で暮らせなくなった子供たちを、自分の家庭に迎え入れて養育する人のこと。里親制度は、児童福祉法に基づいて昭和23年から実施されている。現在約3000人の委託里親が、約4000人の子どもたちと一緒に生活している。
里親になるには
以下の要件を満たしており、都道府県等が実施する養育里親研修を終了し、養育里親名簿に登録されることが条件
- 子どもの養育についての理解や熱意と愛情を持っていること
- 経済的に困窮していないこと
- 子どもの養育に関し虐待などの問題がないこと
- 同居人に、児童虐待などの欠格事由の該当者がいないこと
里親の種類
養育里親:保護者のいない子どもや虐待などの理由により保護者が養育することが適当でない子どもを養育する。5年ごとに更新研修あり。
専門里親:虐待を受けた子供や障害のある子どもなど、専門的な援助を必要とする子どもを養育する里親で、3年以上里親の経験等が必要。2年ごとに更新研修あり。
親族里親:要保護児童の扶養義務者及びその配偶者である親族であって、実親の死亡や入院などにより、子供を養育することが出来ない場合の里親。
養子縁組里親:養子縁組を希望する里親。※子どもが20歳になった時に概ね65歳以下を目安にしている。
その他第二種社会福祉事業として、5~6人の子どもを家庭で養育するファミリーホームや、自治体によって土日や夏休みなどに子どもを預かる週末里親や季節里親の制度がある。
(参考)
全国里親会