Ally Bally Bee

夫のDV・モラルハラスメントから逃れて娘と二人暮らし。全ての人が生きやすい社会になることを願いつつ、今ひとり親 として出来ることをあらゆる角度から考えていきます。

守りのケンカ

上野千鶴子さんの著書を読みたい」と思ってブックオフに行ったけれど価格の安いものがみつからず、ベストセラーになったという遙洋子著『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を購入し、読んだ。

タレントである遙洋子の目から見た上野千鶴子の人となりを知れるエッセイであると同時に、(解説にも書かれていますが)フェミニズムの基礎を学びたい人のためのブックガイドとしても機能するような本だった。

芸能活動を続けながら3年間も大阪から東京に通い、膨大な文献を読み、身体に異変をきたすほど勉強をして上野千鶴子の課題をこなした著者には脱帽する。著者自身が「テレビを見ていてせつなくなる時がある。フェミニストを名乗る人物が、妖怪扱いされるときだ」と書いているが、フェミニストまたはフェミニズムには敵が多く、叩かれやすい。そこで発言するフェミニストは痛々しく見えるのだけれど、著者のようなタレントさんが影響力の強いテレビのような媒体でフェミニズムを語ってくれると、上野千鶴子の方は敬遠してしまうような人たちもフェミニズムを知るきっかけを持てるかもしれない。

私は特にケンカの仕方を知ろうと思ってこの本を手にとったわけではないけれど、本の最後の方でまとめられている「ケンカのしかた・十箇条」は非常に参考になった。特にそのひとつである「勉強する」ということは肝に銘じ、今後は難解と思われるような本にも取り組んでいきたい。「すべて、あらゆる固定観念と闘い、勝ち、説得力をもつためには理論が必要である」から。そして、私は今まさに守りのケンカの最中であるから。

ケンカは攻撃面と守備面があるが、ケンカ嫌いの人はじゃあ勉強しなくていいかというとそうではない。
守り。自分の身を守るためにケンカを余儀なくされる時もある。権力闘争に加担せず、他人に守ってもらう人生を選択しても、その最愛の人とですら、自己の存在をかけて言葉が必要なときがある。(遙洋子著「東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ」)

東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ (ちくま文庫)

東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ (ちくま文庫)