他の誰かになりたかった 改訂版 (多重人格から目覚めた自閉の少女の手記)
- 作者:藤家寛子
- 発売日: 2016/02/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
1979年、地方に生まれたこと以外にも、この本の著者と私に共通しているところがあった。小公女セーラに自分を重ねたこと、同級生が方言を使う中で標準語を話していたこと、お嬢様とからかわれたことがあること等、具体的エピソードの多くが他にもたくさん共通しており、正直驚いた。
一方で、全く共通していないところも、もちろんたくさんあった。私が彼女のように伝統と格式ある裕福な家に生まれたわけではないこと、アスペルガー症候群と診断されていないこと等。
最近、障害とされるものを抱えた人たちの手記を読むことが多い。私自身も障害を抱えていると感じているから、ということもあるけれど、人としてこの世に生を受けた以上、私はあなただったかもしれない、という感覚が強くあるからかな、と思う。
たまたま、私はひとり親という経験をしたり、離婚を経験したりして、それを知って欲しい、とブログを書いたりしているけれど、自分がどんなふうに感じているかを発信することで、ほかの同じような状況にある誰かが少しでも生きやすくなったり、理解が深まることで自分がこの先傷つかずに済むようになれば良いな、という理由もあって発信しているのだと思う。もちろん、自分自身を整理したいという理由もある。
自分は傷つきたくないと思っているし、私はあなただったかもしれないから、自分も誰かを無自覚に、無駄に傷付けることを出来るだけ避けたいと思っている。