Ally Bally Bee

夫のDV・モラルハラスメントから逃れて娘と二人暮らし。全ての人が生きやすい社会になることを願いつつ、今ひとり親 として出来ることをあらゆる角度から考えていきます。

読書メモ:コフート心理学入門

今回は、覚え書きのみです。

・いつも自分ばかりにリビドーが向いてしまい、幻覚や妄想を見たり、自閉の世界に入り込み、自分のファンタジーの世界をさまよってしまうというのが自己愛神経症で、これが今でいうところの精神分裂病になります。フロイトは自己愛神経症がもっとも病的な自己愛の形態だと述べているのです。(中略)病的な自己愛状態の重いものが精神分裂病で、軽いものが自己愛パーソナリティ障害であるというように考えることができます。

・自己愛そのものが病的なのではなく、満たされなかった自己愛が病的な状態でとどまってしまうのが病的だというのがコフートの主張です。ただし、それでも自己愛転移が起きるのであれば、精神分析で治療できるというのです。これより重い、自己愛転移すら起きず、自己愛的な人間関係すらもてない重症のパーソナリティ障害のことを、コフートは「ボーダーライン・パーソナリティ障害」と考えました。このボーダーラインと精神病こそが重篤な自己の病理で、精神分析では治療ができないと考えたのです。

・「共感は、他者を包合しようとする自己の拡大であり、個々の人々との間の強力な心理的な結合となる」とも言っています。どういうことかというと、共感していれば自分と他者が同じ感情になれるわけですから、自己が拡大すると言っているのです。そして、共感によって心理的な結合が生まれると言っているのです。さらに、コフートはその論文の中で、「それは多分、性的欲動の昇華であるところの愛よりも、人間がその同胞に向けた破壊性を緩和するものになる」とも述べています。つまり、恋人関係の愛情みたいなものよりは、お互いに共感できるほうが相手の破壊性を緩めることができるし、共感している関係をお互いにもっていられるほうがいい関係なのだということです。