『統合失調症 ぼくの手記』を読む
- 作者:リチャード・マクリーン
- 発売日: 2004/09/01
- メディア: 単行本
統合失調症の人は、身近にはいなかったけれど、仕事で接したことがある。統合失調症の人の家族の話も聞いたことがある。
約1%、100人に1人が統合失調症を発症するという。その1%の人たちにはおそらく家族がいる。仮に両親だけとしても2人の家族がいるとすると、当事者含めて少なくとも約3%の人が統合失調症と関係していることになる。(という計算をして良いのかわからないけれど)三十人前後のクラスにひとりそのような人がいるのだと考えると、とても身近な問題に思える。
その人は私だったかもしれない。私がこれまで(福祉の仕事を始めるまで)身近な問題として考えるきっかけがなかったことがむしろ不思議なくらいだ。
リチャード・マクリーン著『統合失調症 ぼくの手記』を読んだ。グラフィック・アーティストでもある彼の絵も多く収録されており、絵により伝わってくるものも多くあった。
私が今の仕事で接している方々は統合失調症という診断名がついているわけではない。でも、何かが見えたら聞こえたりしているようだったり、突然駆け出したり、笑ったり、怒ったり、泣いたり。こちらからすると不可解な行動をとられることがよくある。
多くの疾患の当事者の手記を読むことで、私の視野が広がり、その人に何が起こっているのか考えるヒントを得られたら良いと思う。