自分自身に対する尊厳
どんな環境であってもあなたは暴力を振るわずにいられるか。という問いに「振るわずにいられる」と即答は出来ない。
人に暴力をふるうことを踏みとどまらせている力は自分自身に対する「尊厳」だとシュタイナーは言っている。自分自身を諌める力、戒める力、それは私たちの内にある高次の自我だ。
私は夫からのDVで夫に死んで欲しいと思ったことが何度もある。暴力に対して言葉が意味を成さなかった時、八方塞がりの状況に深く絶望した時、私にもし殺し屋を雇えるほどのお金があったら、夫を殺してくれる悪魔が出てきてくれたら、と本気で願っていた。と、同時に「そんなことをしてしまったらDV夫と同じところに堕ちてしまう」とも思った。
そこまで追い詰められた自分を憐れむ自分や、諌める自分が現れた。
それこそが自分自身に対する「尊厳」だったのだろうと今は思っている。