Ally Bally Bee

夫のDV・モラルハラスメントから逃れて娘と二人暮らし。全ての人が生きやすい社会になることを願いつつ、今ひとり親 として出来ることをあらゆる角度から考えていきます。

DV被害と自己責任~「DVを受けてしまわないため」のセミナー?~

ここ数か月ほど様々なイベント・セミナーに行って考えたことをまとめたいな、と思いつつできずにいる。行ったイベントの名称や日にちを挙げて書くことにも抵抗を感じるし、イベントの感想を書くにしてもその内容から行ったイベントを推測されないように日にちをずらして書くべきだと思っている。このことは思いっきりストーキングされた経験のある人にならわかってもらえると思う。自分の住んでいる地域が特定されるのが怖いからだ。そこまで思うのなら本当はブログなど書かなければ良いのだけれど、自分の考えをまとめること、それをどこかで同じように悩んでいる人へのメッセージとして公開することは、私自身の回復にも役立つことと思っている。

DV被害者として勉強を進めるうちに「すべては繋がっている」という思いが強くなった。自分は、たまたまDVの被害者となったけれど、身体・知的・精神障害を抱えて生きることになったかもしれないし、アルコールや薬物の依存症者になったかもしれないし、受刑者になったかもしれないし、ホームレスになったかもしれない。講座等に参加し、背景を知れば知るほど、当事者に接すれば接するほど、本人のいわゆる自己責任というものはほとんど無いと思った。

そうして貪欲にイベント情報を探す中で目にした自己啓発系セミナーのチラシに「女性は本来の能力と使命を失ったことで、恋愛で都合の良い女にされてしまったり、DVを受けてしまったりする」、「このような状態から目覚め、自己実現し、成功しましょう」というような内容が書かれてあり、非常な違和を感じた。これは「DVを受けてしまった」ことを自己責任とする考え方だ。でも世間の考え方は所詮その程度であることを、私はそのチラシを読み再認識したのだ。

私自身、アルコール・薬物依存症者等について「自分の意見を素面では表明できない弱い人間だからそうなるのだ」と思っていた時期もあることを考えれば、セミナーの主催者は単に不勉強ゆえにそのような書き方をしていたのだろうと思う。実際そのセミナーを受講していないので内容はわからないけれど、受講者はその先「都合の良い女」にされたり「DVを受けてしまった」らそれは自分の努力が足りないせいだと勘違いしてしまうのではないか。暴力で悪いのは100%加害者であり、どんなに気をつけたとしても誰もが被害に遭う可能性があるということにかえって気付きにくくなるのではないか。主催者も、もともと女性を勇気付けるために企画したセミナーなのだと思うけれど、そのことがかえって女性の首を締めるものとなり得ることに気付く日は来るのだろうか。

と、他人のことを言っておきながら、私も女性を支援する仕事をしていきたいと思っている身として、このセミナー主催者のような間違いを犯しかねないということを自覚し、勉強を重ねる必要があると思った。