Ally Bally Bee

夫のDV・モラルハラスメントから逃れて娘と二人暮らし。全ての人が生きやすい社会になることを願いつつ、今ひとり親 として出来ることをあらゆる角度から考えていきます。

お姫様ヴェールを作ってみたこと

斎藤美奈子著『紅一点論』は解説で姫野カオルコが言うように怖いフェミニズムの本ではなく、あえて性差というカメラアイを設けてアニメと伝記のグラフィティを見てたのしむ「抱腹絶倒エンタテインメント本」である。

しかし、私は深く読み込み、様々なことを考えてしまった。

私はこの本の中に登場する『キューティーハニー』も『セーラームーン』も、『ヤマト』『ガンダム』『エヴァンゲリオン』も見て育ってはいないけれど、それらを例に解説される「女の子の国」と「男の子の国」の構造はわかりやすく、自分が幼少期好きだった物語と照らし合わせて考えてみたら、やはりその国の法則が当てはまっていることがわかった!

何の疑いもなくアニメや伝記のヒロインに憧れていたかつての自分と、今の自分について考えたら、幼少期に憧れる対象が違っていたならこんな自分ではなかったかもしれないと思った。学生時代はフェミニズムにはそれなりに関心を持っていたはずなのに、潜在的に憧れていたヒロイン像が邪魔をし、その掘り下げが甘かったのではないかと考えるに至った。

さて、子育てをする身として、そしてDV・モラハラの被害に遭い、多少は男性に不信感を抱くに至った身として、子ども向けのアニメや物語の中には、この本を読むまでもなく、ジェンダーの視点から疑問を抱かざるをえないものが少なくない。古典的な物語を含めて、女の子に大人気のアニメやそれをあしらった商品まで、女の子の母親として子どもに触れさせたくないものが結構ある。

一方で、私のエゴイスティックな考えにより、私自身が幼少期、ヒロイン、お姫様の世界により味わい得たファンタジーを子どもから奪ってしまうのもいけないのではないか、と自制が働き、アンビバレントな気持ちでもって私としては好ましくないと思う物語も子どもに見せているのが現状だ。

今日、本屋に行き、「ディズニープリンセスらぶ&きゅーと」という子ども向けお姫様雑誌を見たら、付録がプリンセスヴェールだった。家でも簡単に作れそうだったので、結婚式出席用に購入したキラキラのヘアバンドとふわふわの布でプリンセスヴェールを作ってみた。子どもに与えたら大層喜び、私も変身を愉しんだ。

紅一点論―アニメ・特撮・伝記のヒロイン像 (ちくま文庫)

紅一点論―アニメ・特撮・伝記のヒロイン像 (ちくま文庫)