Ally Bally Bee

夫のDV・モラルハラスメントから逃れて娘と二人暮らし。全ての人が生きやすい社会になることを願いつつ、今ひとり親 として出来ることをあらゆる角度から考えていきます。

子守りのこどもと日本の子守唄

わらべうたへの興味から北原白秋『日本童謡ものがたり』を読んでみました。北原白秋は昔から伝わるわらべうた、日本の童謡を愛し、戦争によって忘れられそうになっていた日本全国のうたを集める仕事をしていたようです。

子ども向けの文体で書かれたこの本ですが、いきなり子守りのこどもの辛い暮らしや心情が子守唄と併せて解説されます。文章が書かれた当時にこれを読み物として読んでいたのは、おそらく貧しい子守りの子どもと同世代ではあるけれど、雑誌や本を買ってもらえる豊かな家の子どもです。その子の弟や妹は貧しい家の子に子守りをされていたかもしれません。北原白秋による子守唄についての解説文は具体的で、リアリティ溢れるものでした。

実の母親でさえも時に辛く感じる泣く子の守りを、年端もいかない子どもがするというだけでどれだけ過酷なものか想像できます。大人ではなく、小さな子にかかる赤ん坊の体重だけでもどれほど重かったことか。そのうえ、地方から親元を離れ、知らない土地にやってきて、いじめられて、いつ捨てられるかわからない状況なのです。そんな子守りの間で生まれ、歌い継がれた子守唄の中には「この子なくので、わし死にまする」というように追い詰められた歌詞も少なくなくありません。

私は子どもが生まれた時、日本の子守唄は哀しいなぁ、と思いながら、自分もDV絡みで大変な状況だったので、西洋の子守唄より日本の子守唄の方を好んで歌っていました。日本の子守唄は黒人霊歌などとは歌詞もメロディも質が異なるけれど、苦しい状況下で生み出され歌い継がれてきた唄を歌うことで、不思議と苦境の中で生きるための力を少しもらえていたように思います。

日本童謡ものがたり

日本童謡ものがたり


竹田の子守唄 - YouTube