Ally Bally Bee

夫のDV・モラルハラスメントから逃れて娘と二人暮らし。全ての人が生きやすい社会になることを願いつつ、今ひとり親 として出来ることをあらゆる角度から考えていきます。

Baa, baa , black sheep

中世から近世の始まりにかけて、羊毛が輸出の中心だったイギリス。エドワード1世により13世紀に導入された輸出税は実に高率で多くの庶民が痛手を受けました。その恨みの気持ちが込められたとされる唄がBaa, baa , black sheepです。ここでthe masterは国王のこと、the dameは貴族階級、the little boyは庶民を指しています。14世紀末から16世紀にかけて行われた囲い込み運動によっても土地の羊牧場化によって多くの農民が追放されました。

Baa, baa , black sheep,
Have you any wool?
Yes, sir, yes, sir,
Three bags full;
One for the master,
One for the dame,
And one for the little boy
Who lives down the lane.

最後2行は、

But none foe the little boy
Who cries in the lane.

のバージョンもあるらしく、歴史的背景を考えるとこちらの方がしっくりきます。

ちなみに竹久夢二はこのように訳しています。弱いものの味方な羊さんです。

「羊の毛」

「羊さん羊さん あたしの旦那様の洋服にお前の毛をお呉れでないか」
奥さんが言ひました。
「はい奥様 三つの袋に一杯 好い毛をもって居りまする。ですが奥様 そこの小みちに泣いている 可哀さうな子にやらねばなりませぬ はい 奥様」
さうして羊は行つちやつた。