Ally Bally Bee

夫のDV・モラルハラスメントから逃れて娘と二人暮らし。全ての人が生きやすい社会になることを願いつつ、今ひとり親 として出来ることをあらゆる角度から考えていきます。

DV体験記を読むことの必要性についてと民間シェルターのこと

「絶望のフチからの出発~ドメスティック・バイオレンス」(監修:道あゆみ)を読む。DV被害者としては読むと辛くなる他の人のDV体験記、これを読むことも、これから闘うために必要なことだ。

裁判では詳しい資料が必要になるけれど、毎日のように行われてきた暴力を証拠にとることが出来ている人、記憶出来ている人なんてほとんどいないと思う。

あまりにひどいことは記憶から消し去ってしまうという防衛機能も人間にはあるようで、被害者自身は覚えていなかったのにまわりの人がDVのエピソードを記憶していたという例も少なからずあるようだ。

DV被害者は、あまりに日常的に加害者から暴力を受け続け、暴力が何たるか、自分が受けているものがDVだと気付くことができない場合がある。

私はDV関連の体験記を読み、自分が重要ではないと忘れ去っていた出来事を思い出すことが多い。嫌な記憶が蘇ることは、当然辛いけれどすべては裁判の証拠となるものだ。

専門家ではないので本当のところどうなのかはわからないけれど、記憶から消えてしまったかに見えるものも身体のどこかに残っているはずで、本当にその記憶を過去のものにするためにはそれを意識の底からそれを引き出して、しっかり向き合い、葬るという作業をしたほうがこれからをきちんと生きることにもつながるような気がする。

「絶望のフチからの出発~ドメスティック・バイオレンス」(監修:道あゆみ)は、子どもの視点からのDV被害漫画があったり、DVシェルターの写真付き紹介があったりと内容が充実していた。加害者更生プログラムの現状も紹介されている。被害者のみならず、一般の人がDVの概要を知るのに適当な本だと思った。

さて、私の場合行政の支援センターでも福祉事務所でも民間シェルターは無いとはっきり言われたので絶望的な気持ちになったのだけれど、この本で千葉市NPO法人によるシェルターの紹介を読んで、「こういうところもあるのだと知ることが出来ていたら違ったのになぁ」と思った。

NPO法人かしわふくろうの家(千葉県柏市)代表の細谷さんは、ご自身の携帯電話の番号を公開されて支援をしている。被害者のSOSを一人で受け止めるのは、想像するだけでも大変なことなのに、人として立派だなぁと思った。

この記事を読んでいる人の中にも、もしかしたら利用したい人がいるかもしれないので、細谷さんの連絡先をここにも記載させていただきたい。

NPO法人かしわふくろうの家(シェルター紹介事業)

電話相談:04-7132-0711 月曜(12時~17時) 木曜(10時~17時)

細谷さん緊急連絡先:090-5555-1034

シェルターという性質上、民間シェルター事業を行っている団体も大々的にHPなどを作ることを避けているのかもしれない。ネット上で探すのは困難だ。でも、だからこそ支援者側である行政の相談窓口の担当は、民間との連携もはかり、ネット上でなかなか入手できない情報も把握して提供する必要があるのではないか。 

ドメスティック・バイオレンス (じっぴコンパクト)

ドメスティック・バイオレンス (じっぴコンパクト)