Ally Bally Bee

夫のDV・モラルハラスメントから逃れて娘と二人暮らし。全ての人が生きやすい社会になることを願いつつ、今ひとり親 として出来ることをあらゆる角度から考えていきます。

心療内科に行ってみたこと

調停でひと通り訴え終えたあと、「こんな状況で精神的にまいっていませんか」と調停員と裁判官のほか同席していた心理相談員(?)に言われた。「もちろんまいっているけれど、同居していたころよりはずっとましになっています」と答えた。「精神科とか心療内科を受診するということもできるのですよ」と心配そうに言ってもらう。

モラハラ渦中にある人は、精神科、あるいは心療内科を受診するという自由すら実質夫によって奪われていると思う。たとえば経済的な暴力によって受診するお金がなかったり、保険証が夫の会社のものだから受診したということがばれないようにしなければならなかったり、子育てをしながら夫に攻撃の材料を与えてしまわないよう完璧な家事をすることで手いっぱいだったり、理由は様々だと思う。

私の場合、夫に「お前の頭はおかしい」と言われ続け「そんなおかしな人間に子どもの親権は渡すことはできない」と言われていた。そのため、精神科などを受診すると、そのことを夫に利用され、調停や裁判で不利になってしまうのではないかという恐れがあった。夫に精神科を予約され、精神病にしたてあげられそうになったこともある。もうひとつの理由は、DVに関する勉強をすることによって何とか自分を保つことが出来ていたからだ。受診の必要も、薬を飲む必要もないと思っていた。

弁護士さんに相談した際、「モラハラを訴えても離婚を成立させることすら難しいかもしれないですよ」と言われた。「あれこれ出来事を述べるより、具体的に夫のせいで精神がやられたという診断書を出すくらいのことをした方が有効だと思います」と言われた。

精神科に行っても行かなくても、病気と診断されてもされなくても、私が夫から受けた暴力の大きさに変わりはない。病院に行ったか行かないか、病気か病気ではないかで判断されてしまうとしたらそれはおかしいと思った。結局、大袈裟に訴えたもの勝ちになってしまうような気がした。

それでも、私は心療内科に行き、1時間ほど臨床心理士さんに話を聞いてもらったあと、医師の診察を30分ほど受けた。専門家は、私の話を聞いて、

「大変でしたね。まとまった内容のお話を落ち着いてされていたので、驚きました。もっと大きな症状が出ていてもおかしくないお話ですよ」と言ってくれた。専門家にそう言ってもらえたことは嬉しかったけれど、仕事と子育てをしながら時間をつくり、安くないお金を払ったことで私の心配が減るわけでは全くなかった。通う必要性も裁判の証拠作りのため以外には感じなかった。