Ally Bally Bee

夫のDV・モラルハラスメントから逃れて娘と二人暮らし。全ての人が生きやすい社会になることを願いつつ、今ひとり親 として出来ることをあらゆる角度から考えていきます。

「人を見る目」について

仮にもかつては好きになった人だ。その一番身近だと思っていた人がこの世で一番恐ろしい存在になってしまうのだ。「どうしてもっと早く気付くことが出来なかったのだろう」「見る目が無かったね」と、話を聞いた人は少なからず思うに違いない。

でも、私自身は不思議とそんな後悔はしていない。なぜなら本当にわからなかったから。そして、「見る目が無かったね」と言われると傷ついてしまう。なぜなら、自己責任論になるから。相手がそんなつもりなく多分同情心で言ってくれているのはわかる。でも、被害者には「そんな相手を選んだのはお前の自業自得だ」と言われているのと同じようなものに感じられる。

「自分は人を見る目がある」と思っている人は、たまたまそれまで失敗したことが無かっただけなのではないだろうか。私もかつて「自分は人を見る目がある」と思い込んでいた一人だった。今の私は「人を見る目」というものはあまり信じていない。精神分析学や心理学を学んでいたら、あるいは人生経験を重ねたら何も知らないよりはDVの被害に遭わずに済むのかもしれない。

でも、人間は本当にわからないものだ。DV被害に遭うということ、もしかしたら自分がDVをしてしまうことさえも、交通事故に遭うように誰にでも起こりうることだと思う。DV関連の本を読んでいるとDV被害を受けやすい女性のタイプなども書かれているけれど、それは占いの記事のように視点を変えれば誰にでもあてはめて解釈できるようなことだと思う。ちなみに私はかつてDVに少なからず関心があり、男女共同参画センターにある本を何冊か読んでいたに関わらずDVに遭ってしまった。

「あなたはDVを誘発しやすいタイプだったのかもね」と言うのも間違っている。DVの恐ろしいのは、これは本に書かれてある通りのことだったけれど、被害者は恐怖によってそれまでの性格を変えさせられてしまうということだ。つまり、DV被害者は、被害を受けたという事実によりDVを誘発しやすいタイプに見えてしまうのだと思う。