Ally Bally Bee

夫のDV・モラルハラスメントから逃れて娘と二人暮らし。全ての人が生きやすい社会になることを願いつつ、今ひとり親 として出来ることをあらゆる角度から考えていきます。

ターシャ・チューダー

素敵だな、と思っている人が離婚歴ありだったらちょっと嬉しくなってしまう不謹慎な私です。

私が子どもの頃、家に絵本作家ターシャ・チューダーの洋書があって、英語も読めなかったのに大好きで大切にしていました。そのターシャ・チューダーの生き方が日本人にとっても憧れとなり、彼女の人となりについての本がこんなに多く出版されることになるなんて、当時は思ってもいませんでした。大人になってから、ターシャが一人で生きていることを知り、勇気づけられた次第です。

ターシャも離婚家庭で育ちました。彼女が9歳の時、両親が離婚し、ターシャは父の親友の家に引き取られています。引き取られた先の家庭では、大変楽しく過ごすことが出来たようです。結婚したのは23歳の時で、四人の子どもに恵まれました。楽ではない生活の中で、子どもたちに楽しい時間をと、田舎で手作りの生活を子どもと共に創ります。1961年、ターシャ46歳の時に、ターシャも夫と離婚し、絵の仕事で家族をひとりで養うことになりました。

九歳の時、両親が離婚して、父の親友の家族(グウェンおばさんとマイケルおじさんとその娘)と暮らすことになりました。ボストンでスコットランド人の乳母にお行儀良く育てられた娘が、突然型にはまらない、ものすごく自由な雰囲気の家庭に放り込まれたのです。あんなすばらしい経験は、あとにも先にもありません。グウェンおばさんが戯曲を書くのに忙しくて、手の込んだ料理を作る暇がなかったので、食事はライスにトマトとか、オートミールやコーンフレークとか、かんたんなものばかりでした。でもおばさんは、よく朗読をしてくれたの。夜の十時や十一時になることもしばしばでした。(ターシャ・チューダー『思うとおりに歩めばいいのよ』)

両親が離婚した家庭の子どもが楽しい子ども時代だったと回想している文章を読むと、少し安心できます。

アメリカのバーモンド州で自然に囲まれて生活するターシャの生活は、狭い日本でなんとか生活しているひとり親の暮らしとかけ離れているように思えます。でもターシャの生活は、ターシャが望み、それを得られるよう努力した賜物です。その生活を得て維持するために、ターシャも努力し、都会の便利な生活などほかのことを捨ててもいるのです。

わたしの絵を気に入ってくださる方は、「創造力が発揮できて楽しいでしょう?」と言うけれど、それは見当ちがいよ。わたしは、売るために絵を描いているの。生活のため、食べていくため、そしてもっと球根を買うためにね。(ターシャ・チューダー『思うとおりに歩めばいいのよ』)

 手作りのライフスタイルはもちろん素晴らしいのですが、ターシャ・チューダー『思うとおりに歩めばいいのよ』を読むと、彼女の芯の強さが言葉の端々から感じられます。ライフスタイル以上に、その強さをお手本にしたいと思っています。

思うとおりに歩めばいいのよ (ターシャ・テューダーの言葉)

思うとおりに歩めばいいのよ (ターシャ・テューダーの言葉)