Ally Bally Bee

夫のDV・モラルハラスメントから逃れて娘と二人暮らし。全ての人が生きやすい社会になることを願いつつ、今ひとり親 として出来ることをあらゆる角度から考えていきます。

見ようとしないと見えない、子どもの貧困

「(日本の)子どもの貧困は見ようとしないと見えない」、保坂渉・池谷幸司著『ルポ子どもの貧困』に登場するベテラン教師の言葉だ。子どもが手にしている携帯電話は仕事の依頼を受けるためのライフラインである場合もある。

この本には、奨学金を親にあてにされたり、病気になってもアルバイトに出なければならない定時制高校の生徒、車上生活をする中学生、朝食を求めて保健室の廊下に行列を作る小学生、お風呂に入れていない保育園児などが登場する。

今年7月の新聞記事では子どもの貧困が最悪の16.3%になったと報じられていた。これは平均的な所得の半分を下回る世帯で暮らす18歳未満の子どもの割合である。前回調査の平成21年から悪化している。平成24年時点、18歳未満の子どもがいる世帯の年間所得平均は673万2千円であるが母子世帯だと243万4千円になる。そして大人一人で子どもを育てている世帯の貧困率は54.6%と半分以上にのぼるようだ。(私自身も貧困世帯である)

子どもの6人に1人は貧困状態という現状は、政府が、もっとも早く対策をとるべき緊急事態だ。DV同様、子どもの貧困も家庭の中に隠ぺいされている可能性が高いのだ。まずは見ようとしなければならない。そして介入しなければならない。

DVを受ける時、私は深夜でも窓を開け放った。誰かに通報して欲しかったからだけど、その願いは叶えられることはなかった。

子どもの貧困も、その親の尊厳を傷つけるかもしれず、介入しにくい問題であるし、一度関わってしまったら後にひけなくなってしまうのでは、と身近にいる子が貧困状態にあることに気付いていながら何もできずにいる人がいるかもしれない。

それがDVを受けている大人の女性なら、まだ自ら誰かにSOS出来る可能性がある。けれど、子どもたちは自らの状況を社会に訴える手段を持っていないのだから、介入しなければならない場合も間違いなくあると思う。

ルポ 子どもの貧困連鎖 教育現場のSOSを追って

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