DV夫、モラハラ夫について、この人に救いはあるのだろうかと考えることが多い。そして自分自身も救いを求めたくなることが多い。自分の夫に対する怒りの気持ちをどこに持っていったらよいかわからなくなるからだ。私は彼を「許そう」としてきただけにそれが裏切られる悲しみを知っているし、決して許してはならない暴力があることも知っている。
そんな中で 『マザー・テレサー愛と祈りのことば』を手に取った。今は自分を守るための闘いの渦中にあるから彼を許すことはできない。でも、死ぬ時は、憎しみ、怒りの感情を持ちながら死ぬのではなく、自分の中でこの感情を何らかのかたちで処理して死にたいと思っている。マザーテレサの優しさに満ちた言葉の数々は、人間という生き物に対する不信感を抱いてしまいがちな私に希望を与えてくれた。
DVを知る前の私も、マザーテレサの映画を観て、その生き方に感銘を受けたことを思い出した。シングルマザーは自分自身も余裕の無い中で福祉の仕事に携わる人が多いけれど、マザーテレサの生き方を知ることは、仕事に対する自分の姿勢やスタンスを考える際に助けになってくれると思う。
本の中で特に覚えておきたいと思った言葉。
貧しい人が飢えで死んだ場合、それを神さまのせいにしてはなりません。あなたや私がその人が必要としていたものを与えようとしなかったからなのです。つまり、私たちが神様の愛を伝えるみ手の道具になろうとせず、パンの一切れを与えることなく、寒さから守ってやる衣服を与えようとしなかった結果なのです。キリストが、寒さに凍え、飢えで死にかけた人の姿をとって再びこの世に来給うたこと、淋しさに打ちひしがれた人の姿、温かい家庭を求めてさまよう子どもの姿をとって来給うたことに気付かなかった結果なのです。(『マザー・テレサー愛と祈りのことば』)
- 作者: ホセルイス・ゴンザレス‐バラド,Jos´e Luis Gonz´alez‐Balado,渡辺和子
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