Ally Bally Bee

夫のDV・モラルハラスメントから逃れて娘と二人暮らし。全ての人が生きやすい社会になることを願いつつ、今ひとり親 として出来ることをあらゆる角度から考えていきます。

石井十次

石井十次(1865-1914)は、1887年に児童養護施設の基礎となる「岡山孤児院」を創設した人です。熱心なキリスト教徒で、ルソーやペスタロッチの影響を受けました。

石井十次の生涯についての本、和田登著『石井のおとうさんありがとう』を、児童書ではあったけれど読んでみました。本の推薦をしている山田火砂子という方が、同名の映画を作っていることも知り、観てみたいと思っています。

映画「石井のおとうさんありがとう」公式サイト
http://www.gendaipro.com/juji/

石井十次が生まれたのは1865年ですが、当時、政府は孤児のために何もしていませんでした。『石井のおとうさんありがとう』の中には、石井十次がはじめて引き取った母子のエピソードが出てきます。夫を失ってお遍路の格好をし、食べ物を分けてもらって2人の子どもをなんとか食べさせていたお母さんの話を読みながら、100年以上前の日本のシングルマザーのことを考えました。現代においても、離婚したらたちまち生活苦に陥るシングルマザーが多いですが、女性が働く場所が少なく、預ける場所もなかった時代、子どもが飢えに苦しんだり、汚くてほかの子どもにいじめられたりするのをどんな思いでお母さんが見ていたのか、考えるだけで胸が苦しくなります。

孤児事業に尽力した石井十次、ひとり親になってよりありがたく、身近に感じられる存在となりました。子どもの貧困が深刻な問題となっているに関わらず、なかなか救いの手が差し伸べられているように思えない今、子どもの福祉に携わってきた人のお話が大河ドラマにでもなって欲しいくらいです。映画『石井のお父さんありがとう』は、キャストが豪華な割にひっそりと上映会が時々されているに過ぎず、一般の人が観たり知ったりする機会を持てなさそうなのがとても残念です。

石井のおとうさんありがとう―石井十次の生涯

石井のおとうさんありがとう―石井十次の生涯