男女共同参画センターにはよく足を運びます。近隣の都道府県、市区町村のセンターの情報も集めて、興味のあるイベントには参加するようにしています。
先日、男女共同参画センターに行った折、高齢者の福祉・介護に携わる職員を対象としたDVの研修会のチラシを目にしました。そのチラシを見た瞬間「ああ、そうだ。こんな重大なことになぜ私は今まで気付かなかったのだろう」と高齢者虐待とDVが急につながりハッとしました。私はこれまでDVの本をたくさん読んできたに関わらず、頭の中ではあまりDVと高齢者虐待を結びつけて考えることが出来ていなかったのです。
「ただでさえ力を弱められてきたDV被害者が高齢になってますます弱者になってしまったら」、「仲の良かった家族関係さえも崩壊させかねないほど家族にとって負担が大きい高齢者介護問題がDV家庭で発生したら」、想像するだけで背筋が凍りつきました。
高齢者虐待は、配偶者によるもののみではなく、子どもが親にする場合も、介護職員がする場合もあります。家庭や施設内での第三者の目にふれにくい場所における暴力という意味ではまさにDVです。認知症などでもはや外部にSOSを発信することの出来ない高齢者とDV被害者はどこで区別をつけたら良いかわからないほどに重なり合います。
確かに、高齢者福祉に携わる職員がDVとは何かを正しく理解することは不可欠です。このような研修がもっと広く行われ、例えば福祉資格の取得要件にも、DVの正しい理解が含められるようになり、高齢者虐待やDVの早期発見や防止につながることを祈ります。